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GNAP 2017に参加して

TAM(i 田宮 豊)2017年11月

NAP - Eastern Europe 7/1 - 7/10 ブルガリア

           7/11 - 7/20 ルーマニア

           7/21 - 7/30 ハンガリー

GNAP - Turkey 10/4 - 10/24 トルコ 

 

 私がGNAP(Global Nomadic Art Project)に参加することになった経緯は、飯能アートヒル(私有地)へ韓国の野外アート団体YATOOのメンバーであるリー氏とカン氏を招待したことにある。2017年5月から6月のおよそ2か月にわたり彼らの作品作り等をサポートした。滞在の終盤ごろにリー氏よりGNAP東ヨーロッパ3か国への参加への提案があった。その後GNAP東ヨーロッパ代表の方より正式に招待を受け、参加することを決意した。

 

 2017年6月29日に羽田国際空港よりドイツのミュンヘンで乗り継ぎをし、ブルガリアのソフィア空港へ到着。空港にて韓国アーティスト合流し、野外アート会場へ。各国より30名ほどのアーティストが集まって来ていた。いよいよ野外アート制作活動開始。GNAPのテーマは『Nature Art』である。その場所にある自然の物(枯れ木、葉、花びら、実、土、石、水等々)を使い、各地で作品を作りそれぞれの表現を披露する。ブルガリアでは黒海も訪れ水辺での制作をし、その後は海水浴も楽しんだ。

 

 トルコではイズミール、カッパドキア等、世界遺産とされる地においても野外アート作品制作をすることができた。

 

 GNAPに参加して驚いたことはそれぞれの国で30名ものアーティストを受け入れ、野外アートをできる場所があるということだ。日本ではそのような場所を見かけることは少ないように思う。GNAPでの活動を終え、たくさんの友人や知人ができたことはなによりの宝だ。

 

 私はこれまでは油絵中心の作品が多く、それらは形としてこの先も残るものである。それとは対照でGNAPでの野外アートの作品は自然の物で制作する故、やがては自然へと返ってゆくものなのだ。この違いは感慨深いものである。これからもそれぞれの作品で私自身を表現していきたい。それに留まらず、知り合ったアーティストたちをいつか私が受け入れられるような体制づくりもしていきたい。


GNAP Global Nomadic Art Project

(グローバルノマディックアートプログラム)直訳すると、国際放浪美術計画。YATOO(野投)が、各国の自然美術グループと提携した、国際的なネーチャーアートのワークショップ計画で、すでに韓国内2か所・インド・南アフリカ・ブルガリア・ハンガリー・ルーマニア・ドイツ・イギリス・トルコなどで実施。地元アーチストと国際的な各国からの参加アーチストが2~30人規模でバスなどで各地を回り、ランドアート(ネーチャーアート)の作品制作を野外の地でキャンプをしながら移動して制作していき、その記録画像の展示を各国の都市で実現する。YATOOの自然美術展などの長い各国作家との交流と、四季のワークショップ経験などの発展系といえる。ほぼ10日単位の共同生活、共同の場での制作、個々の創作の研究発表などもあり、国際的な作家の友情も育まれる、YATOOなどは国の助成金も得て、ビエンナーレやアートインレジデンス、学生・地元の方々との交流などとともに、国際的な自然派美術の宣伝・教育・経験の蓄積の場として注目される。日本からも、今回の田宮さんをはじめ、安孫子国際野外美術展の江上さん、つくば国際アーチストインレジデンスの池澤さん、韓国内2回目の2015のGNAPには木村も参加。(k)