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永井潔アトリエ館 第2回企画展 「ほぼ練馬、ちょっと世田谷」を見る

木村勝明

ちょうど永井愛さんが居られて、展示作品のお話も聞けた。今回は、いくつか外にコレクションされている作品を、借り出しして来ていた。可能なところで、どうしてもこれは展示したいということだろう。「かまど」1954年油彩の114.0×147.5㎝の大作、「練馬駅付近」1954年、油彩53.0×65.2㎝、「女学生」1959年油彩91.0×72.8㎝、などがそうらしい。

 集めるご苦労もあるし、特殊なプラスチック?(名前が覚えられなかった)も高いらしくて、予算はどんどん上がり、多少自嘲的に嘆いていらした。今回永井潔の15歳の日記(カットも入った)小冊子が展示されていたが、その復刻版を自主制作して手に取ることもできた。 その才能は少年からあふれ出ている。映像での情報、当時の練馬らしい風景の小品(遺作になると思いつつ描いただろう)も珍しいもの。カフェには「さいゆうき」の挿絵原画1954年小学生全集?/筑摩書房など、写生画ではない楽しさもある。まだ封筒に入ったこういう原画が未開封で沢山あるらしい。この企画展示は2018年1月27日まで(毎土曜日のみ)だが、3月からは第3回企画「男たち-物語る顔」(3月3日から)が予定されている。永井潔という画家の多面性は仲間内ではよく知られているが、国民的な画家として、知らしめるべく、いっそうのご支援を期待したい。永井愛さんとの対話からそんなことを思ったのだった。そして、夕闇迫るアトリエ館を後にした。