· 

「美術運動」復刻版刊行

解題を書いた方々による、昨年12月29日の
うちあげの日に感じた事

 

 合計 64 セットが出ていて、個人・美術館・芸術系大学・大学・海外・献本などらしい。個人では大学の先生が多い、北から南、鹿児島まで。美術館も道立旭川美術館から熊本県立美術館まで、東京都現代美術館・国立新美術館・東京国立近代美術館・横浜美術館など・・ 美大も東京藝術大学・東京造形大学・多摩美術大学・武蔵野美術大学・女子美術大学・金沢美術工芸大学など、一般大学も東大・立教・早稲田・フェリス・中部・国際日本文化研究センター・関西学院など・・。驚く広がりと言う意味では、アメリカの各大学が収集している事だろうか。コロンビア大・スタンフォード大・イェール大・ブリティッシュコロンビア大・プリンストン大・コーネル大・ワシントン大・議会図書館・他にも研究所、名前不明の大学などあって14ヶ所。世界的な普及がされたのだな~と、感慨ひとしをだった。

 

 解題を担当していただいた執筆者も足立元・池上義彦・武居利史・鳥羽耕史・白 凛・宮田徹也の日本美術会とは外の研究者と言えるが、独自の視点があり、また「美術運動」を読む会を組織してきた流れもあって、親しい関係という事はあったと言えるが、世代も若くなって、運動の大きな意味での継承という、大切な展開がされたと思う。十数年前にそのメンバーだった J・ジャスティンの情熱で宮田さん「美術運動」復刻版刊行1947年~50年・60年代まで(88号)+別冊(解題・総目次・執筆者索引)2021年12月29日現在の普及状況(三人社:越水治)解題を書いた方々による、昨年12月29日のうちあげの日に感じた事と日美事務所に来て、美術運動のスキャニングを実施した経過があって、今のこの復刻版にたどり着いたのだった。鳥羽耕史先生の後押しもあったのだろうが、「これで美術運動を読む会も終了したと思う!」という宮田さんの独り言を、その時自分は聞いたように思う。

 

 しかし、越水さんの「増刷を考えている、後日申し込みを正式にします!」とのこと、今年は「美術運動」創刊75周年記念なので、何らかの復刻版刊行記念のシンポジウムをオンラインも含めて実施すべきだろうと思う。その場合、アメリカのJ・ジャスティンや、アリシア・ヴォルグさんなどもオンライン登場も視野に入りそうだ。しかしこれはまだ個人の胸の内という事になる。

             木村勝明:編集