ジルケ・ヴェストファル-パウル・グロス

ジルケ・ヴェストファル-パウル・グロス  Silke Westphal / Paul Gross
―それぞれの存在―(9月27日~10月1日)

ドイツ・ベルリン在住の若い画家二人展、65回日本アンデパンダン展企画展示「地の種」の出品者である。ベルリン在住の画家・田中悦子さんの推薦による出品だった。若いといっても40代後半の画家であるお二人は二度目の来日という事だった。「美術運動」誌のNO139をプレゼントした。もう手にはしているが、一緒に「地の種」のパンフレットを添えた。少し親密感が湧いて写真などもお願いした。
作品はジルケさん(女性)の方はドローイング、そして点描といってよい技法だった。たとえば「アスピリン」という作品は、真ん中に白い小さなアスピリンの錠剤があって、その周りを鉛筆の黒い点が占めるという具合である。良く見ないと何が描かれているかさえ分からない。ひどく内向的な、しかし独創的なドローイングと言えるだろう。パウルさんはデコラティブな再生紙に写真を転写する方法らしい。何を転写するかと言えば、ワイシャツであったり、草の葉っぱだったり、生活の一部分を切り取ったような感じ、ここにもジルケさんと共通する内向性というような、そんなに外に声高に主張しないが、自分は此処に居るというような内向きな独創性を感じたのだった。
しかしそのナイーブなお二人の感性には好感を持った。できれば今回の縁というものを大切に交流していければと思ったものだった。(編集・K)