10月に三浦さんと共に、韓国に行って来ました。行き先は、昨年の日韓美術交流展で初めて訪れた公州市と、ソウルです。公州市で盛大に開催された「世界大百済典」を見る事と、日韓展で知り合った作家の方々にお会いする事、そしてソウルの美術館、博物館を巡る事を目的に行って来ました。
公州市では、イ・チュンウ先生が「世界大百済典」の公州・扶余会場、博物館、市内等をご案内下さい
ました。また、アトリエにもお伺いさせていただきました。
扶余では10年近い歳月をかけて今年完成した百済の宮殿(再現)が公開され、大勢の人で賑わっていました。お祭りや博物館見学を通して、百済から日本へと文化が伝わってきていることを実感しました。日本では詳しくその歴史を学ぶ機会があまり無かったので、とても興味深く、新鮮でした。
また、イ・ユニ先生にも短時間でしたがお会いして、アトリエにお伺いしました。アトリエは市街から少し離れた、教会の敷地内の建物の一室にありました。学生時代~今年の個展に出品された彫刻作品まで拝見せていただき、感激しました。アトリエというのは、その作家の心の中の様な(ある意味神聖な?)、プライベートな場所でもあると思います。その大事な場所を拝見させていただくのはとても有難く、感動しました。先生とは同年齢ということもあり、楽しい時間を過ごしました。
その後、公州からソウルへとバスで移動しました。ソウルでは、私達より数日後に韓国に到着されたオザキさんと、合流しました。翌日はソウル在中の林さんに、仁寺洞(インサドン)と北村(プッチョン)をご案内いただきました。両エリア共、ギャラリー、美術館、博物館が集中しています。また、北村は王宮に挟まれたエリアで、昔王宮に勤めていた高官達の韓屋(韓国古来の建築様式の家屋)が保存されている所です。趣きがあり、とても素晴らしい場所です。
林さんがご案内下さった「北村東洋文化博物館」は、東洋の文化財を展示している博物館で、その建物自体もまた芸術品の様な建物でした。館長さんと林さんがお知り合いということで、お茶をご馳走になりました。そのお部屋には四方窓があり、それぞれの風景が見えました。目前には韓屋の奥にビル街が広がり、右は景福宮、大統領官邸。左は昌徳宮、後方には山が広がってました。
その後、伝統工芸の組紐工芸工房を見学し、ギャラリーでは韓国の現代アート作品を見て、韓国美術に触れてきました。そこからは熱いものを、感じました。この他、美味しい韓国料理や伝統茶をいただき、楽しんできました(偶然、貴志さん達とお会いして驚きました!)。
ソウルの街は、昔からの伝統と現代が混在するエネルギッシュな街です。市場やふと入った路地裏、迷路の様に続く細い道…。そして、あたたかな人情(これはどの地域にも言えます。公州でも色々な方々がご親切にして下さいました)。歴史、文化、美術、交流。色々と思いを馳せながら、帰途へと着きました。
今回の旅は、今まで開催されてきた日韓美術交流展で築かれてこられた関係があったからこそ成り立ち、また皆様が助けて下さったので、無事に行く事ができました。遠矢さん、木村さん、ソウルの林さん(お忙しい中、あらゆる事を大変お世話になりました)、韓国語の先生、ナカジマさん。本当にありがとうございました。そして、ご親切にしていただき、大変お世話になりました公州のイ・チュンウ先生、イ・ユニ先生。皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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