~「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ」と
「ただいま-九大生AQAプロジェクトによるアジア現代美術展」~
福岡はアジア現代美術ファンにとっては特別な土地である。1979年に福岡市美術館が開館記念展でアジアの近現代美術を取り上げて以来、継続的にアジア美術展が開催され、1999年にはアジアの近現代美術に特化された世界で唯一の美術館である福岡アジア美術館(以下、あじび)が開館した。2009年は、福岡市美術館開館30周年、あじび開館10周年の節目の年であり、あじびで9月5日(土)から11月23日(月)まで「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ」(以下、FT4)が開催された。
「共再生 明日をつくるために」をテーマとするFT4は、蔡国強(中国)、スボード・グプタ(インド)らのアジア現代美術の著名作家たちを取り上げると同時に、若手作家も積極的に紹介している。例えば最年少は86年生まれのジャン・リーロイ・ニュー(フィリピン)で、彼の作品はあじび入口ゲートの上部に設置され、展覧会の「目玉」となった。
一方、あじびと同じ建物内にあるギャラリーアートリエでは小規模ながら、九州大学の美学・美術史の学生たち(AQAプロジェクト)によって企画されたアジア現代美術展が、FT4と同期間に開かれた。作家選考から出品交渉、展示まで全て学生が中心となって企画した本展は、「ただいま」をテーマにアジア7カ国・地域の計8名のアーティストの写真、映像、インスタレーションなどを展示しており、若い目がとらえたアジアの家族と日常を見せてくれる。
(ふるさわゆりあ・九州大学大学院 藝術学専修 修士課程)
第4回福岡アジア美術トリエンナーレ http://www.ft2009.org/jpn/index.html
福岡アジア美術館 http://www.faam.city.fukuoka.lg.jp/
AQAプロジェクト http://aqa.aikotoba.jp/